店長

――深夜2時すぎ、Fマート浪速人情店。店内は冷蔵庫のブーンという低い音と、たまに鳴るレジのピッという音だけ。 夜勤レジには、店長と中村だけ。中村「……あの、店長」店長「なんや」中村「今夜の静けさ、ちょっと怖くないですか？」店長「いつも静かや...

──Fマート浪速人情店・深夜3時、レジカウンターにて──店長「……おい中村。お前、今“いらっしゃいませ”の声、ちょっと気持ちこもってへんかったんちゃうか？」中村「え、うそ？そんなつもりなかったんですけど……ほなもう一回“いらっしゃいませ”言...

深夜2時のFマート浪速人情店。人通りも少なくなり、蛍光灯の光だけが、静かに売場を照らしている。店長 「……なあ、中村。お前、トイレ掃除、どない思てる？」中村 「な、なんですの急に。めっちゃ静かな店内で、その質問……こわいっすやん……」店長 ...

0時14分。静まりかえった深夜の店内。中村 「……なあ、店長。」店長 「なんや、またカップラーメン棚の前で腕組んで、悩みの深さラ王クラスやないか。」中村 「いや、ちょっと待ってください。ラ王を“悩みの深さ”の単位にするの、どこの地域だけです...

――午前1時30分、Fマート浪速人情店――（ピロン♪）自動ドアが音を立てて開いた。夜勤の中村がいつものテンションで入ってくる。中村 「おはようございまーっす！……って、店長、何かあったんですか？顔に“めんどくさい”って書いてますけど」店長 ...

――夜23時40分、Fマート浪速人情店・バックルーム。中村　「え〜、店長……あの新人、またトイレ行って戻ってけぇへんですわ……なんや、トイレットペーパーと一緒に辞めてもうたんちゃいます？」店長　「そんなん、お前……紙切れと一緒に人生まで流さ...